自然保護助成基金助成成果報告書
Online ISSN : 2189-7727
Print ISSN : 2432-0943
第28期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成 国内研究助成
GPS発信機によるコクガンの渡りルート解明 ―雁の里親友の会―
澤 祐介池内 俊雄田村 智恵子嶋田 哲郎Ward DavidLei Cao
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2020 年 28 巻 p. 81-87

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抄録

コクガンはロシアやアラスカなどの北極圏で繁殖地する鳥類で,日本を中心とする東アジアでは約1万羽が越冬する.しかしその渡りルートや重要な生息地については,未解明の部分が多く詳細な生態も明らかになっていない.本研究では,約7,000羽が秋季の渡り時期に集結する北海道野付半島において,コクガンにGPS発信機を装着し,追跡することで,渡りルートを明らかにすることを目的とした.

2017年11月,2018年3月に野付半島において,コクガンの捕獲を試みた.2017年11月には4羽のコクガンを捕獲し,GPS発信器による追跡を実施した.その結果,4羽中2羽で有効なデータを約1ヶ月間にわたり取得することができた.調査期間中,長距離の移動を確認することはできなかったが,北海道道東部を中心に生息地間を移動していることが明らかとなった.また捕獲方法を確立したことにより,今後の調査に対して重要な知見を得ることができた.

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© 2020 本論文著者
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